16. ここはおさえておかないと損をする!導入の落とし穴2015.09.03

16. ここはおさえておかないと損をする eポートフォリオ導入の落とし穴何か新しいもの、とりわけITツールを導入する際に陥りがちな落とし穴がある。最も典型的なのはITツールがあたかも魔法の杖であるかのようなイメージを持ってしまい、それが独り歩きすることだ。ポートフォリオサービスを導入したからといって、全ての問題がたちどころに解決するわけではない。導入後に考えられる落とし穴を事前に知って転ばぬ先の杖としよう。

ポートフォリオサービスは通信教育ツールではない

eポートフォリオには、物理的、時間的な障壁を取り除いてくれるメリットがある。24時間いつでもレポートなどの提出が可能で、しかもそれが遠隔地であっても全く不利や不便を感じることなくコミュニケーションを取ることも可能だ。

これらはとても便利で画期的なことだが、あくまでも教育の現場は大学であり、キャンパスだ。全ての学びをeポートフォリオの中で完結しようとしすぎると、まるで通信教育のようになってしまうだろう。

通信教育であれば従来からそのための課程や仕組みが用意されているわけで、ポートフォリオがなくても成立している。ポートフォリオサービスの便利さに依存しすぎることなく、うまく教育の障壁を取り除くことに活用すべきだ。

結果よりもプロセスを把握しPDCAを回転させるツール

近年、eポートフォリオに対して期待されていることに学習履歴の可視化がある。ここで重要なのは、単なる学習記録を時系列に並べた「学習ログ」になってはいけないことだ。

学習ログ、単なる備忘録であればポートフォリオサービスまで用意する必要はない。もっと簡便なもので代用できるはずだ。そうではなく、ポートフォリオを活用して学習の「流れ」「線」を把握できることに主眼を置きたい。
ビジネスの世界では結果が全てだ。しかし、教育は違う。結果と同じくらい、いやもっと重視されるべきなのがプロセスだ。なぜその結論に至ったのか、なぜその学生はそう考えるに至ったのか、こうしたプロセスの中に気づきがあり、より良い方向に学生を導くヒントがある。

学習と評価、検証、そして次の学習。この流れはPDCAそのもので、大学教育におけるPDCAをいかに回転させるかは学生の4年間を大きく左右すると言って良いだろう。
学生自身も自分の学習、研究進捗を把握してメタ認知を促進し、そこから次のPDCAを描けるようになれば、一生ものの財産となるはずだ。

この記事のまとめ

eポートフォリオは決して万能な魔法の杖ではなく、あくまでも大学教育を快適に質的向上させるためのツールに過ぎない。それを活用することで学びのプロセスを可視化し、ビジネスのようなPDCAを回転させるツールとして活用させるようなパラダイムシフトが重要になる。

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