9. 学習の結果だけでなく、学習のプロセスが一目瞭然2017.09.07

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高校までと異なり、担当授業によって学生メンバーが異なることが多い大学などでは、教員が学生個人個人の名前と顔が一致した頃に学期末が来るという話もあるほどだ。ゼミや卒業論文の指導で担当することになっても、学生を理解するまでに時間がかかってしまうこともある。

各学生のeポートフォリオリオがあれば、担当授業だけではなく広く学生の履修状況や学習状態を把握し、指導に活かすことができる。

プロセスを見ることの大切さ

最近、大学から専門学校まで、入学生に対して図書館の使い方を詳しく説明したり、「書店ツアー」を実施したりする学校が見られるようになった。興味ある本はインターネットで購入となると、参考文献を探す、実際に本を手にして目次や索引を見て読むかどうか考えるといった作業を、教えていくことも必要になっている。

そうした参考文献を使う力についても、eポートフォリオによって知ることもできる。配布した先行研究論文を読んでいるか、参考文献一覧以外の文献を探しているかどうかなど、eポートフォリオに利用部分をコピーしてアップロードするよう指導しておけば、確認もしやすい。その内容を見て、個々の学生のサポートや指導につなげることもできる。

資料の中で、どれが人気でどれが不人気かをチェックすれば、クラス全体の問題点や理解度が浮かびあがることもある。

個人と全体の学習傾向を把握する

高校までは、基本的に全教師の勤務日・時間が同じであり、教師間の連絡もとりやすい。授業やクラブ活動、ホームルームなど接触する機会が多い担任制の中高とは異なり、大学などの教育機関では学生一人一人の全体像がつかみにくい。

学生一人一人のeポートフォリオは、学生一人一人が何を学んでいるか、活発に学んでいるかどうかについて、学習記録を蓄積していく。グループワークや実習などの記録から、他の学生とのコミュニケーションの様子も見えてくる。学生自身も、この学習記録から自分自身の学習過程を把握するメタ認知が可能となる。

各授業の担当教員がそれを見ることによって、学生の状況を多面的にとらえることができる。

eポートフォリオを知ろう 9

São PauloのアメリカンスクールGradedのTeaching and Learning部門は、教師にとってのeポートフォリオの目的を、「VISIBLE LEARNING PATH(学習過程の可視化」「SUPPORT FOR DIALOGUE(学生との対話のサポートとなる)」と明示する。

教師は、すべての学生の学習を可視化する手段であるeポートフォリオにアクセスして、学習状況について学生と話すときに、それを使うことができると説明している。
PF09
【Teaching and Learning(GRADED The American School of São Paulo)】HS teachers “Wonder” about ePortfolios Part 1: Audience & Purpose

この記事のまとめ

多くの大学教員はテストなどの結果だけでなく、そこに至るプロセスも知りたいと考えており、eポートフォリオの学習記録はこうした課題を解決する手段として活用されている。学生自身にとっても学習記録を常に把握しながら学ぶことがメタ認知につながり、高い学習効果が得られる。

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