16. ここはおさえておかないと損をする!導入の落とし穴2018.04.27

16. ここはおさえておかないと損をする eポートフォリオ導入の落とし穴ITツールの導入で面倒な業務が大幅に減ると、夢見るスタッフも少なくない。たとえば、高校までのクラス単位履修ではなく、科目によって履修者名簿もその数も異なる大学の時間割編成は非常に面倒な作業だ。学部必修、専攻必修、選択などの分類もあり、さらに講師の勤務日や教室設備やキャパなど、考慮すべき項目も多い。教務システムを新しく導入したが、時間割編成はイレギュラー処理が多く、すべてシステムで大丈夫と思っていたスタッフたちががっかりしたという例もある。

eポートフォリオサービスはどのようなツールか

eポートフォリオサービスの導入にあたっても、このような「夢」と現実とをしっかり理解しておくことが大切。一番分かりやすい便利さは、資料や双方向の指導や意見交換も含め、課題の配布・提出であろう。時間と場所に隔てられることなく、スムーズに行える。

だが、この便利さは、通学・対面で行われる授業や講義をサポートするものであり、授業そのものがeポートフォリオサービスの中で行われる、講師と学生との対面交流の必要がなくなるといったわけではない。

通信教育としての機能が、eポートフォリオサービスの中にあるわけではない。

単に便利なツールか、活用し新たな価値を見出すか

課題の配布・提出を便利にするだけであれば、他の手段も考えられるであろう。では、なぜeポートフォリオなのか?そこには、今ある業務を便利にするだけではないプラスアルファがある。

それが、学習履歴の可視化である。学生がいつ、どの課題を提出したか、それを記録するだけではなく、その課題そのものや資料、コメントなどがそこに「蓄積」されることによって、どのような学習が行われ、どのように成長していったかを、いつでも考察できることがプラスアルファなのだ。

そして、このプラスアルファの価値を認め、学生に対する指導に反映できる、そのことが学校や学業に対する積極的な姿勢を育て、卒業後のキャリア形成の基礎につながっていくと考えるかどうかが、eポートフォリオサービス導入の成否を決めるとも言えるだろう。

学生にとっても、入学時から就職活動、卒業まで、自分が何を学び、学生同士また教員と交流し、どのような助言を受け、成長してきたかを、振り返る手段としてeポートフォリオサービスは働く。就職活動時、あわてて「大学で学んだこと」を準備しなくても、十分な材料ともなる。

この記事のまとめ

便利だから時間短縮だから、eポートフォリオサービスを導入するのではなく、学生の学習、教員の指導、キャリアセンターの指導などにおいて、質の向上を図ることができるからこそ、このサービスが必要である。その共通認識がなければ、サービスの導入はできても活用には至らない。

関連キーワード:       

このエントリーをはてなブックマークに追加

トップへ戻る